ハラスメントに対する取り組み

【ハラスメント防止宣言】

哲学的な対話の活動は多種多様な人が集まり、自由にお互いの考えや想いを聞き、話しあうことを通じて、ともに探究を行うものです。そのためには、主催者や進行役、参加者のだれもが、対等で安全だと感じられる環境が必要です。ですが、現実には、既存の力関係の非対称などを背景に、対話の最中や対話の前後のやりとりのなかで、その場から排除された、あるいは自身の尊厳をひどく傷つけられたと感じさせる、ハラスメントや差別的言動を疑われる事例が見られます。

ハラスメントは人々の権利や尊厳を脅かすだけでなく、対話的な哲学的探究の土台である人々の対等な関係性をも揺るがす看過できない行為です。とりわけ、社会で脆弱な立場に置かれている人のなかには、ハラスメントが存在するかもしれないと思われるだけで、対話への参加を断念せざるをえない人もいます。したがって、いかなる形態のハラスメントであっても、これが黙認されたり、見過ごされたりすることがあってはなりません。

また、私たちの団体は、学校を訪問するなどして未成年の子どもたちとも対話の場をひらく機会を多く有しています。哲学的な対話の場を設定したとしても、おとなと子どもの間には容易に力関係が働き、それゆえに子どもたちの権利や尊厳は特に脅かされやすいものであることを十分に踏まえる必要があります。

そこで、私たちNPO法人こども哲学・おとな哲学アーダコーダは、当団体に関わるすべての人の権利と尊厳を尊重し、ハラスメントのない組織および対話空間の実現に努めることを宣言し、以下の通り方針を定めます。

1.当団体は、すべてのハラスメントやそれに類するいじめ、嫌がらせ、強要、 個人の尊厳を傷つける言動のない組織および対話空間の実現を目指し、全てのハラスメント行為を許しません。ここで、ハラスメントとは職業、性別、人種、民族、国籍、宗教、思想、年齢、性的指向、性自認、外見、身体的特徴、障害の有無など人がもつさまざまな属性に基づく当事者間の力関係の非対称を濫用して、人々の権利や尊厳、安全で公正な環境を脅かす行為を広く指します。

2. 本宣言は、理事を含むアーダコーダー*や正会員のみならず、ボランティアスタッフ、インターンシップを行う人、またイベントの参加者など団体に関係するすべての人を対象とします。

*アーダコーダーとは:NPO法人こども哲学・おとな哲学アーダコーダの活動に、コーディネーター、講師、進行役、アシスタントなどとして関わる人であり、かつ現場責任者を務めることが恒常的に当団体より認められている人。理事を含む。なお、アーダコーダーの名前は、全員、当団体のウェブサイトに掲載している。

3. ハラスメント防止の周知徹底、研修実施などによって、団体内のハラスメントに関する意識向上に務めます。 

4.下記に示すように、ハラスメント案件が生じた場合の対応手順を定め、苦情や相談の申し出があった場合は、 迅速かつ適正に対応します。手順は随時見直しを行い、必要に応じて修正を行い、改善を重ねていきます。

NPO法人こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ
2024年7月26日制定




【ハラスメントに関する相談手順】

①ハラスメント相談委員への連絡 
ハラスメントを受けたと感じたら、または⽬撃したら、窓⼝担当の相談委員(理事)に連絡してください。だれに連絡してもかまいません。知⼈や家族など第三者からの連絡も受け付けます。相談したことが、意に反して他の⼈に知られることはありません。相談を受けた委員は、相談者からの同意を得て、代表理事または副代表理事に報告します。その際、匿名での報告を希望することもできます。

2024年度相談委員: 
鳥羽瀬有里:tobase@ardacoda.com
堀越睦:mutsumi.horikoshi@ardacoda.com 

相談委員に相談しづらい場合には、相談委員ではない理事に相談してもかまいません。相談委員ではない理事もあなたの相談をお断りすることはありません。その場合も、本⼿順に沿って同様に対応をします。なお、本⼿順で想定している相談の内容や対象は以下の通りです。

● 当団体の役員を含むアーダコーダーや正会員どうしのやりとりの中で起きたハラスメントやそれに関連するもの 
● 当団体の受諾するイベントや主催するイベントの実施中および実施前後に役員を含むアーダコーダーが⾏ったハラスメント、参加者どうしで起きたハラスメントやそれらに関連するもの 
● 当団体の役員を含むアーダコーダーが団体のイベントとは関係ない場所で⾏ったハラスメントやそれに関連するもの


②ハラスメント対策チームの設置および調査の実施 
報告を受けた代表理事または副代表理事は、複数名によるハラスメント対策委員を選出してハラスメント対策チームを設置します。対策委員には、ジェンダーバランス等を考慮したうえで、理事が2名以上、理事以外の監事またはアーダコーダ正会員から1名が入ります。相談者のプライバシーは守られます。 対策チームは、相談内容を検討し、当事者および関係者などから事情を聴くなどして調査を行い、報告書を理事会に提出します。


③ハラスメントへの対応・処分、被害の拡⼤・再発防⽌の措置
②で対策チームから提出された報告書に基づいて、理事会は、ハラスメントへの対応・処分、被害の拡⼤や再発を防⽌する措置などを審議、決定します。