テーマは「(言われるとモヤっとする)〇〇という言葉について考える」でした。
初めてソフィーに参加する子がいたので、最初はみんなで簡単な自己紹介をしました。そのなかで、今回初めて参加してくれたお子さんがいつもソフィーに参加してくれているお子さんの馴染みだと分かりびっくり!通っている小学校は違うけれど一緒に哲学したいと思って誘ってくれたそうです。
こども哲学がじんわりと広がっていくことを感じられてすごく嬉しかったです。自己紹介の後は、みんなで毎日の暮らしの中で感じている「モヤっとする言葉」とその場面を思い出すところからスタートしました。
はじめは「モヤっとすることがあってもすぐ忘れちゃう。」「あんまり考えないようにしてる。」などなかなかモヤっとを思い出せない様子のこども達。
それならばと講師達が日ごろ感じている「モヤっと」を話していると自然な流れで「そういえば学校で、、、、」「この前、妹と、、、」など自分の気持ちが少しずつ言葉になり始めます。一度「モヤっと」を思い出し始めると、まるでその場面にタイムスリップした様に周りの状況や自分の気持ちの変化を臨場感溢れる言葉と表情で表現する様子が印象的でした。
色々なモヤっとが出てきたなかでも共感の声が多かったのが『困っていたり、悲しそうな様子のクラスメイトに声をかけた時に「なんでもない」や「気つかわなくていいよ」と言われるとモヤっとする。』
まずはこの「モヤっと」を出発点に対話を深めていくことに
このモヤっとを気持ちの変化に注目して分解してみると
・相手を心配する優しい気持ちだったはずだけど、イラっとに変わる
・勇気を出して声をかけたのが無駄になった!って思う
・自分が拒否されたように感じて寂しくなる
・「なんでもない」じゃなくて「ありがとう。大丈夫。」と言ってもらえたらましかも
・深刻なことじゃなかったって分かってちょっと安心感もある
など、「モヤっと」のなかにいくつかの気持ちが混ざりあっていることに気付きました。「優しさ・勇気・寂しさ・怒り・がっかり
・安堵」、小さなやり取りの中にこんなに色んな気持ちが入っているとは。
今回みんなの経験を持ち寄って考えたことで「モヤっと」の正体に迫ることができて誰かと一緒に考えるこども哲学の楽しさを改めて感じました。
その後、クラスでは立場を入れ替えて同じ場面について考えてみることに。
自分が誰かから「どうしたの?」と声をかけられて「なんでもない」と応えることってあるかな?
その時、相手に対してどんな気持ちを持ってる?という問いかけから自分の経験を思い出してみると、
・自分のことに集中したいだけ。相手に対して嫌な気持ちはない。
・相手を巻き込んじゃ悪いと思って「なんでもない」って言っちゃうことがある
・事情を説明するのが面倒だと「なんでもないよ」とか言うこともある
などなど、自分も普段の生活で同じ「モヤっ」とを誰かに投げかけている場面が結構たくさんあると気づいた様子のこども達。
前半で「モヤっと」を受け取る側の気持ちについて沢山考えていたので返す言葉は「大丈夫」とか「なんでもない」になるかもしれないけど、相手に対して「気を使ってくれてありがとう」「勇気出してくれたんだよね」っていう優しさというかありがとうの気持ちが伝わるようにしたいという言葉も聞かれました
この日扱った2つ目のモヤっとは
『名前じゃなくて役割で呼ばれるとモヤっとする』
例えば「お姉ちゃんだから~してね」「5年生は○○だよね」「○○ちゃんママは、、、」など
・その役割になりたい気持ちもある(お姉ちゃんらしくしたい、上級生だから○○したい)けど、そうじゃない自分もいる。両方の自分が混ざってる
・お友達になりたいのに、役割で呼ばれちゃうとよそよそしい感じがして寂しいのかな
など、こちらも自分の経験や周りの人の言動を見ていて感じたことなどを頼りに頭と心をフル稼働してみんなでモヤっとの正体を考えました。
すごくおもしろかったのですが、長くなってしまったので今回のレポートはこの辺りで締めさせていただきます。ここまで読んでいただきありがとうございます。
「こども哲学、なんだか気になる~」と思ってくださったら
是非あなたのお子さんにもみんなで一緒に考える楽しさをプレゼントしていただけると嬉しいです。
ソフィーは、オンライン(毎月2回)と対面(年に数回)で実施しています。体験も随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
ソフィーの時間で、こども達は「聞く」「考える」「話す」というシンプルな行動を繰り返します。
どれも毎日の暮らしのなかで当たり前に行っていることばかりですがこども哲学として行ってみると、いつもと違う面白さがあったりお子さん独自の素敵なポイントに気付けたりと、毎回違った奥深さを感じます。クラスの時間中は、こどもたちと講師で対話を行いますが毎回終了前に当日の対話の様子を保護者の皆さんにお伝えする時間を設けていますので面白さ、奥深さを親御さんにも感じ取っていただけたら嬉しいです。次回はどんなお子さん達とどんな時間を過ごせるか、講師一同楽しみにお待ちしています。
(ライター:岩間)