金曜夜の哲学カフェ。3/7のテーマは「家具の役割とは」でした。
家具はただの生活の道具なのでしょうか。それとも、それ以上の何かを私たちにもたらしているのでしょうか。わたしたちは日々、椅子や机、棚といった家具に囲まれて暮らしていますが、それらがわたしたちの行動や空間の使い方、さらには価値観にまで影響を与えているとしたら?今回の哲学カフェでは、「家具の役割とは?」という問いを通して、当たり前すぎて見過ごしてしまいがちな家具の存在を改めて見つめ直しました。
対話の中では、家具の「役割」とは何か、という基本的な問いから話が広がっていきました。まず、家具には道具としての機能があるという意見が出ました。椅子は座るためにあり、机は物を置いたり作業をするためにある。そうした機能を果たすことが「役割」なのではないかと。しかし、その役割を決めるのは誰なのか、という疑問が続きます。制作者が意図したものが役割なのか、それとも使用者がどのように使うかによって変わるものなのか。そもそも「家具」とは何か、という根源的な問いも浮かびました。装飾品やオブジェは家具なのか、小さすぎるものも家具と呼べるのか、屋外にあるものは家具になるのか──わたしたちは思いのほか曖昧な基準で家具を認識していたことに気づかされました。
参加者からは次のような感想が寄せられました。
・「家具についてこんなに深く考えたことはありませんでした」
・「家具を道具として捉えるか、愛着の対象と考えるのかの議論が面白かった」
・「同じ日本人でも言葉の用い方や感じ方考え方が様々で、普段の仕事を通じては得られない刺激を楽しめました」
今回の哲学カフェでは、家具という身近な存在から出発して、わたしたちの暮らしの中に潜む多様な視点に触れることができました。何気なく使っている物にも、問いが眠っている。そんな当たり前を疑う姿勢こそが、哲学の入り口なのだと感じました。金曜夜の哲学カフェは、日常をひととき立ち止まり、自分や世界を問い直すことのできる大切な場だと改めて実感しました。
(ライター:つの)