
5月の「哲学プラクティスあれこれゆるゆるトーク」では、哲学書を少人数で読み合うワークショップ「哲学登山」を主宰し、哲学の山登りを志す人びとにシェルパとして寄り添ってこられた桐田敬介さんをお迎えしました。
ビジネスパーソンや教育関係者など、実に多様な人々と哲学に向き合ってきた桐田さんに、「哲学する」「哲学対話する」「哲学書を読む」という三者の関係についてお話をうかがいました。
冒頭では、哲学対話を続ける中で芽生えてきた「哲学するとはどういうことか?」という問いを出発点に、哲学対話が目指すものと、哲学という営みとの重なりやずれについて、じっくり語っていただきました。「思いには丈がある」などの印象的な言葉が印象深く響き、参加者それぞれのなかに潜んでいた問いや思いが、少しずつ形を帯びて立ち上がってくるような時間となりました。
また、「哲学書を読むとはどういうことか」「声にならない言葉と出会うとはどういうことか」といった話題も深く心に残りました。「言葉を考えてきた人の言葉を背負う」という姿勢や、「教養っぽくなってしまうことへの違和感」など、言葉との向き合い方をめぐる示唆も数多く得られました。
「哲学すること」と「哲学対話すること」の関係は、実践に携わる多くの方にとって、折に触れて立ち返るべきテーマです。今回のトークは、そうした原点にあらためて向き合い、それぞれの「思いの丈」に耳を澄ませるような、静かで深い学びのひとときとなったのではないでしょうか。
(ライター:つの)
次回のゲストは大阪大学教授の望月太郎さん。
望月さんはこれまで、カンボジアでの哲学カフェの開催や、今年6月にタイで行われるp4cファシリテーター向けトレーニングセッションへの参加など、東南アジアにおける哲学プラクティスの実践と展開に深く関わってこられました。
当日は、近年望月さんが注目されている「ジオフィロソフィー」という視点を手がかりに、東南アジア各国での哲学プラクティスの具体的な実例を交えながら、あれこれゆるゆるとお話を伺います。
[ 主催 ] NPO法人こども哲学・おとな哲学アーダコーダ[ 日時 ] 7月22日(火) 20:00~21:30 (アーカイブ配信あり)
[ 場所 ] オンライン
[ 対象 ] 定員50名
[ 参加費 ] 1,500円
[ 申込方法 ] Peatixページから詳細・お申込はこちら