2024年10月27日、小田原にある本屋さん「南十字」にて、出張講座を実施いたしました。
前半は「こども哲学・哲学対話ってなに?」や「こども哲学・哲学対話の進め方」について担当講師から説明を行い、後半は、実際に参加者全員が1つの輪になり、問いを決めて、哲学対話を体験いただきました。3時間と短時間ながら、途中質問タイムをはさみ、こども哲学にまつわる実践や体験エピソードなどもお伝えしました。参加者のほとんどが「なんとなくこども哲学や哲学対話に興味がある」という感じでしたが、南十字さんが実施した事後アンケートからは、こども哲学や哲学対話に対して、皆さんの関心が高まった様子がうかがえました。参加した方の感想の一部をご紹介いたします。
・「自分が来た目的が達成された上、対話のテーマや内容も面白く、大人同士での対話を体験することができた。実際に体験したことで、こどもたちの対話はどのようなものになるのか見てみたいなど、次の興味関心が生まれた。」
・「初体験の「哲学対話」の場。参加者の皆さん、ファシリのおかげで心地よい時間でした。このような場を自分のコミュニティでもつくっていきたいと思う、ひとつの目標を与えていただいたように思います。」
・「対話の価値や重要性を感じるとともに、いかに日常で数字や肩書きにとらわれているのかを感じられた。対話的な姿勢はもちろん、対話自体の時間を作ることもまた大切であると学べた。また、こどもに対する哲学対話の場づくりをすることによって、もれなく親も対話をすることとなり、その過程で親も同時に対話的姿勢と対話の時間を獲得できるという視点は発見だった。」
・「単に対話を体験するだけではなく、その場を運営視点で振り返ってみるという流れがありがたかったです。イメージを持ちながら、また参加者の皆さんと協働して学びを進めていけたように思います。」
対話後のメタダイアログ(その日の哲学対話の振り返り)のなかで、「もし知り合いも参加している場なら、(その方を意識して)今日はまったく違った発言をしていたと思う」という意見が興味深かったです。日常的な繋がりのない人たちと対話して得られることと、繋がりある人たちと継続的に対話して得られることについて、じっくり、ゆっくり考えてみたくなりました。
(ライター:ふなやま)