毎回ファシリテーターを変え様々なスタイルで開催している「アーダコーダ哲学カフェ」、4月はオンラインでの開催でした。
進行役には堀越睦さんを迎え、14名の参加者の皆様とともに、当日その場で問いを出し合うスタイルで実施しました。対話のテーマは「焦り」。
新しいスタートや出会いなど、春といえば明るくポジティブなイメージが一般的です。そんな中で、初めての場所や人に対して焦ることも多いだろうという、ひと味違った春のイメージから設定されたテーマでした。テーマについて考えるにあたり、各自の経験から「焦り」の事例を出していただきました。その後問いを出し合い、選ばれたのは『人はなぜ焦るのか?』という疑問。人が焦る理由を入口に意見を出し合うところから対話が始まりました。対話の中では理由の考察に留まらず、焦りが生まれる条件、時間や期限との関係性、他の言葉では表現できない独特の感覚など、様々な視点から「焦り」を考える時間になりました。
個人的に特に興味をひかれたのは「焦りは他者との関係性のなかで生まれるものである」という視点。同じ状況でも焦るとき、焦らないときがあるのは相手との関係性による違いなのではないか?という話題が面白かったです。自分の生活と問いを結び付けてじっくり考える時間は、哲学カフェの醍醐味のひとつ。対話の中で意外な発見があると日常も楽しくなるなぁと実感した回でした。
(ライター:浅野)