GWあけの平日夜に開催されたアーダコーダ哲学カフェでは、小川泰治さんの進行で「事務作業・事務仕事、はかどってますか?」という対話をしました。このテーマは哲学対話でもなかなかお目にかかることがない種類のものですが、だからこそ、テーマに惹かれて初めて哲学対話に参加する方、反対にテーマにピンと来ないから参加した方もおられて、嬉しく思いました。
まず、事務仕事というのは、コンテンツを作るといったクリエイティブなものではないけれど、組織などの生命体を維持していくのに不可欠なものという考えが置かれました。たしかに、事務仕事は、面白味がない、とか、AIなど人間ではない存在が担える事務仕事が増えてきている、とか、事務仕事のややネガティブな側面があがりました。みなさんの話を聞きながら、私たちは「事務的」をネガティブな意味で使っているな、と「事務」に対して少しもうしわけないような気持ちにさせられました。
中盤、小川さんが、人間にしかできない事務仕事は何かと投げかけると、スムーズに事を運ぶために、関係する人たちへの働きかけ、タイミング、相手の性格や好みといった様々な配慮で成り立っている事務仕事、困った時、助けてくれるのは信頼できる事務の方が示してくれる余裕や絶対に守るべきライン、といった、事務職の底力を語るエピソードが共有されました。また、事務の中でも能動的なもの、誰かのためになっているものはワクワクできる、事務は大変でも達成感があり癒しや成果を感じられる、機械的にできる仕事の心地よさ、など、事務のポジティブな面も浮かび上がってきました。
対話を通じて、事務を表す様々な言葉がありました。「効率」「冷たい事務」「好きだったことが事務仕事になった瞬間」「事務の倫理」などなど。このレポートを書くのは私にとって事務なのか、事務って何?と、今日もこのテーマについて考えています。
(ライター:わさ)

