

NPO法人シブヤ大学様の主催により、現代社会におけるコミュニケーションの「疲れ」を解きほぐすための全3回の連続講座がスタートしました。第1回となる今回は「正しさで疲れがちな今の、対話を深めるコツ ― 問いを立てる編」が開催され、アーダコーダの大前が講師を担当しました。
本ワークショップは哲学対話をベースにしており、「違いの出発点を言葉にする『問いを立てる力』(今回)」「違いを壊さずに扱うための『批判する力』(10月)」「対立の中でも対話を続けられる『場をつくる力』(1月)」の3つの力を段階的に扱っていきます。当日は定員20名を超えるお申込みがあり、自己紹介の時点から会場は参加者の皆さんの熱気に包まれていました。
第1回の目的は、自分の中にある違和感や関心から問いを立て、その問いが他者との対話の中で少しずつ変わっていくプロセスを体験すること。そして「わかり合えなくても、考え続けることはできる」という感覚を持ち帰ることにあります。
まずは哲学対話についての紹介や問いについてのレクチャーを終えた後、前半は様々な角度から自身の体験を思い返すワークに取り組みました。すぐに問いを立てようとすると、どうしても表面的なものになったり、本当に自分が関心を持っているテーマから外れてしまったりしがちです。
問いは本来、日常のふとした「違和感」「モヤモヤ」「驚き」から生まれるもの。本やニュースの他人事ではなく、自分が直面した実体験(=当事者性)を「問いの種
」として出発点にすることで、問いに対しての熱量が宿ります。
後半は、体験のエピソードを「問いの型」を使って抽象化し、「私個人の問題」から「誰もが自分事として考えられる問い」へと昇華させていくワークに取り組みました。
今回は哲学対話をじっくり行う時間はなかったため、最後に1つの問いにつき5分ほど実際に話してみる「テイスティング」の時間を設けました。短い時間ながらも、お互いの異なる視点が交差し、問いが立体的になっていく感覚を肌で味わう時間となりました。
終了後には自然と拍手が起こるなど、参加者の皆さんが非常に真摯に取り組まれていたのが印象的でした。正しさを競うのではなく、お互いの違和感を出発点にして「考え続ける」ことのおもしろさや豊かさを共有できた第1回になったと感じています。続く第2回「批判する力」は、10月に開催予定です。
(ライター:大前)

