開催日時:7月28日(日)16:00~18:00
参加者:5名(内インターン生3名)
進行役:内藤
始まり
アイスブレイクでは、今日呼ばれたい名前、参加しようと思ったきっかけ
「夏休み何したい?」に対する簡単な回答、の3点を各参加者に言ってもらいました。
プレゼンテーション
今回提示した哲学対話の定義は次の通りでした。
答えがない問いについてみんなで深く考えることで、自分の世界を広げることができる場。
また、ルールは以下の通りでした。
- 何を言ってもいいし、何も言わなくてもいい。
- 悪口や誹謗中傷をしない。
- 知識ではなく、自分の経験にそくして話す。
- 話がまとまらなくてもいい。
- 意見が変わってもいい。
- お互いに問いかける。
- 発言したいときには手を挙げる
特に、5の「意見が変わってもいい。」と6の「 お互いに問いかける。」は強調してお伝えしました。
問い出し
まず参加者に今回やってみたい問いを挙げてもらいました。以下のものが出ました。
- 「なつかしい」って何だろう?
- どうして死ぬのが怖いのだろう?
- どこからが「ついて良い嘘」なのか?
- 「キャラが立ってる」ってそんなにいいことか?
- 「自分が自分である」とはどういうことか?
- 「人道」とは何か?
- 大人に宿題はあるのか?
- 人生の中で絶対にやらなきゃいけないことはあるのか?
このなかから投票で、「どこからが『ついて良い嘘』なのか?」に決定しました。
対話
ある嘘によって誰かは助かる一方、それ以外の誰かが不幸になる場合、その嘘は良いのか、という疑問から対話が始まりました。「その場合、嘘をつくことではなく、もっと別なところに本質があるのではないか。なぜなら、どちらを助けるにしても、嘘をつくことには代わりがないのだから。」「人の命を助けるための嘘ならついてもいいのでは?」「嘘をついた結果よいことが起こるのなら、それはついて良い嘘と言えると思う。そもそも、嘘をつくのが悪いことだというのは一体誰が決めたのか。」「そもそも嘘をつくって何?自分に嘘をつくのと他人に嘘をつくのは何がちがう?」話が抽象的になるなか、自分の身の回りで起こった具体的な事例から考える方向に対話の中身が変化していきます。「友だちの秘密を他の人にバラしてしまったのに、その友だちの前では嘘をついて、誰にも秘密は漏らしてないと言ってしまった。」「恋人が試着した服が似合ってないと思っても似合っていると言ってしまった。」その他、いろいろな事例を引き合いに出し、これは良い嘘なのか悪い嘘なのかを考えていきました。最後に参加者のひとりが、「『嘘だけど、まあいっか』と感情的に解決できるのはいい嘘。」と言い、なんとなくそんなもんだよねという雰囲気で対話は終わりました。
感想・振り返り
「例えが色々出てきてこそ、深掘りできた対話だった。」という人から、「嘘といえば、政治的な文脈での嘘も気になる。」という、これからまた対話してみたいものが出てきている人まで、様々でした。ちなみに、今このレポートを書いている私も、これらと同じような感想を持ちましたが、それに加え、「そもそも、どこからが嘘でどこからが本当なのか」という点も今また気になりだしました。このことについても、これからゆっくりゆっくり考え続けていきたいです。哲学対話はどこまで言っても終わりはないですが、明らかに人生を生きる上で良い効果をもたらしている、少なくとも私はそう感じています。
今回の対話もとても刺激的で、またひとつ、自分の人生が豊かになりました。(ライター:内藤)