横須賀学院小学校2023年12月の授業レポート

横須賀学院小学校のこども哲学、12月の2・3年生は「気持ちって伝わるの?」をテーマに実施しました。

気持ちについて考えるにあたって、まずはこどもたちに「今の自分の気持ち」を表現してもらいました。文字を使わずに紙に描いてみよう、という挑戦です。あえて鉛筆だけで描く子もいれば、紙いっぱいに色だけを塗っていく子、今の気持ちは1つじゃない!と複数のイラストを描く子もいました。そんな十人十色の表現をお互いに見せ合って「友達の気持ちを当ててみる」というグループワークも行いました。なかなか当てることができずあれこれ盛り上がる班もあれば、すんなり当たって「なんで分かったの!」という班も。

その後行った対話では、気持ちは言葉にしないと分からないという意見に対し「家族や友達みたいな仲が良い相手なら言葉がなくても伝わりやすいよね」と関係性へ言及する話題が興味深かったです。

さらに対話の終盤、表情や声・動作の大きさといった言外の要素に触れてくれた子がいました。毎日の生活を改めて振り返ると自分がどうやって気持ちを伝え、受け取っているのか分からなくなって議論が賑やかになります。「ドスンドスンと歩いてたら怒っているってわかるよ」「それなら目が見えない人や耳が聞こえない人はどうやって感じるの?」「手話でも動きの強さってあるのかな?」こどもたち自身が積極的に気持ちの表現や伝え方について考えている姿が印象的でした。

1年生は「おとな/こどもってなに?」をテーマに二者の違いを話し合いました。仕事をしているのがおとな?という質問に、「赤ちゃんは泣くのが仕事、子どもは学校で勉強したり遊んだりするのが仕事」「仕事してるからって大人なわけじゃない」という意見が飛び出し、彼らの考えの柔軟さに驚かされました。

4年生は引き続き、自分たちで問いを出して哲学対話を行っています。問い出しのポイントを掴んできた子は短時間でも複数問いを出せており、他者の考えをきく、自分の意見や反論を話す、質問を投げるといった対話の基礎がすっかり実践できるようになっていました。友達の話に耳を傾ける姿に成長を感じます。

冬休み中に彼らは一体どんな経験をし、どんな思索を巡らせているのか、年明けの授業も楽しみです。(ライター:もえーん)

この記事を書いた人

アーダコーダ事務局