12月12日(日)と19日(日)に、こども哲学の理解を深め実践することを目的として、掲題の講座をオンラインで2日間にわたって行いました。講座には、地域でこども哲学を実際にやってみたい方、お子さんと哲学対話をしてみたい方、学校等で授業に取り入れたい方などの様々な方にご参加いただきました。
講座1日目は、アーダコーダ副代表理事である井尻からの講義と、講師陣がファシリテーターを務めるこども哲学の体験を行い、講座2日目は、実際に受講者の方々にこども哲学のファシリテーションを一人一人実践していただきました。特に、講座2日目の「初めてのファシリテーション体験」では、16名の受講者の皆様と5名の講座スタッフが小グループに分かれ、1日目の講義の内容を踏まえて実際に参加者の方一人一人にファシリテーションをしていただきました。問いかけのタイミングや、沈黙が続いた時の対応など、実際にファシリテーションをしてみることによってファシリテーションの難しさや面白さに気がつくことができたようです。
講座内では質疑応答の時間が何度も取られ、参加者の皆様から多くのご質問をいただきました。ファシリテーションの仕方や工夫は、どんな場や人とするかを踏まえながら調整していくもので、これをすればいいという一つの正解があるわけではありません。そのため、講師陣からは、自分だったらどうするかという視点で、配慮している点についてさまざまな意見が交わされ、受講者の方々に課題を持ち帰っていただきました。2日間の講座を経て、受講者の皆様からは以下のような感想が寄せられました。その一部をご紹介いたします。
・「ファシリテーションをやってみる場面では、自分だけでなく他の参加者のファシリテーションを一緒に振り返ることができ、いろんなファシリテーションのあり方を学べた。」
・「子ども哲学を同じメンバーで4回体験することで、初めてのファシリも安心して挑めたし、実際に自分で開催する気持ちのハードルも下がったのを感じた。それは、「安心な場を作ろう」という同じ気持ちを共有していたからだと思う。新たに場を1から作る時はすごく難しいと感じるけれど、みんなで助け合う場を目指すと楽しいのだと目指すと楽しい時間になるのだと実感した。」
・「対話を整理していただくと、スッキリすることがある一方で、モヤモヤが減ってしまわないか。モヤモヤを消さないように、対話を交通整理するファシリテーターのコツが何かあるように思いました。」
受講者の皆様が一人一人どんなこども哲学の場を開きたいか、そのためにどんなファシリテーションの工夫ができるのか講座を通して模索されている様子が、これから一緒にこども哲学の場を作っていく仲間として、とても嬉しく思いました。
次回のこども哲学ファシリテーション養成講座〈初級編〉は年度内に開催予定です。こども哲学にご関心のある方、これからこども哲学を始めてみたい・始めてみたけれどやり方に困っている方、皆様のご応募をお待ちしております!