4月18日(日)と25日(日)に、こども哲学の理解を深め実践することを目的として、掲題の講座をオンラインで2日間にわたって行いました。
受講者は16名。前半は、アーダコーダ理事である井尻からの講座と、講師陣がファシリテーターを務めるこども哲学の体験を行い、後半では実際に受講者の方々にこども哲学のファシリテーションを実践していただきました。特に質疑応答の場面では、答えのない問いをたくさん出していただき、講師陣と受講者との対話が活気づきました。
〈講座内容〉
前半
・コミュニティボールづくり
・講義(こどもの哲学の系譜、アイスブレークの仕方、素材のシェア、問いを作るとは、等。)
・こども哲学体験
・質疑応答
後半
・質問ゲーム
・こども哲学実践
・質疑応答
講座前半の講義では、こども哲学の系譜から現代の海外情勢まで鑑み、日本での実践のあり方を振り返りました。こども哲学の体験では、こども哲学とはどういうものなのかを体験していただきました。こどもが抱く素朴な疑問は、哲学の領域で今なお研究の真っ只中にあるような問いと重なることも多々あります。一つの意見にじっくりと時間をかけて耳を傾け、立ち止まり、こども達がぽつりぽつりと発する言葉を何一つ聞き逃がすまいとする態度が必要不可欠です。こうした態度が哲学対話を実践する上で根幹となるということを実演しお伝えしました。
講座の後半では、前半部を踏まえてファシリテーションの実践をしていただきました。実践をすることによって初めて気が付くことのできた、さまざまな懸念点が受講者の方々から挙げられました。紙幅の都合上すべてを取り上げることは叶いませんが、例えば以下のような問いがうまれました。
・ファシリテーターは自分の意見を言ってもいいのか。
・ファシリテーター自身のセーフティはどのように確保すべきか。
問い全般について言えることですが、各講師陣からは、安易に正解めいた回答を与えることはせず、自分だったらどうするかという視点で、配慮している点についてさまざまな意見が交わされ、受講者の方々に課題を持ち帰っていただきました。
哲学対話において、ファシリテータ―の役割は大きなものです。したがって、今後とも引き続き受講者の皆様とも意見を交わし合う場が作れたらよいと考えております。
改めまして受講者の皆様、ご参加ありがとうございました。