(株)運動会屋/(社)運動会協会「ビジネス哲学対話研修」レポート

2019年4月25日、横浜市の(株)運動会屋オフィスにて、「ビジネス哲学対話研修」が行われました。ご参加くださったのは、(株)運動会屋社員の方々ならびに(社)運動会協会の方々、あわせて22名の方々です。アーダコーダ理事の幡野雄一と清水将吾が(敬称略)、それぞれ講師とファシリテーターを担当しました。
 
講座の冒頭で、(株)運動会屋の犬飼博士様より趣旨説明をしていただきました。犬飼様は哲学対話に深い理解を示してくださっており、事業展開の中で上下関係なく「そもそも」を問い直すことの大切さについて発信してくださいました。ワークショップ中にも犬飼様がたびたび発信役を買って出てくさったおかげで、研修のもつ説得力が格段に増したように思います。

 
研修は三時間全体をとおして、「問いあうこと」を一貫したテーマとしました。
幡野によるレクチャーは、「哲学の問いとは」と「哲学対話とは」についてから始まりました。答えがひとつとは限らない問いについて、ゆっくりつまずきながら考え対話する、その意義と効果がよく伝えられたと思います。

 
続いて、「問いあうこと」の実践として、質問ゲームが行われました。自己紹介を兼ねられるようにと「GWは何をしたい?」をテーマにし、一人につき五分の時間で行いました。通常よりも長い一人五分を設定したのは、問いあうことが行きづまり難しくなる体験もしてほしいとの意図があったためでしたが、この意図に反し、時間が足りないほど活発な問いあいがされていました。このことは、参加者の方々の意欲の高さと、全体の雰囲気のよさを示していたと思います。
次に、幡野から「すぐに役立つ七つの質問」についてレクチャーが行われました。考えを深めるために役立つ問いかけを、一つ一つ具体的に例示しながら詳しい解説を加えるものでした。
 
休憩時間をはさみ、後半は、金魚鉢対話を行うための「問い出し・問い決め」から始まりました。非常に多様な問いが出される中、投票で選ばれたのは、「人間にとって運動って必要?」という問いでした。

 
二重の輪になっての金魚鉢対話は、内側の人による対話を外側の人が観察し、「問いあうことができているか」を意識するためのチェックシートを使いながら行われました。参加者の方々が意欲的かつ協力的だったこともあり、「問いあうこと」と「考えを共有すること」とのバランスが非常によくとれた対話になっていたと思います。「そもそも運動とは何か」「運動とスポーツの違いは何か」「運動が必要だと思う人はどうしてそう思うのか」など、「そもそも」を問う根本的な問いをめぐって対話が展開していきました。
 
参加者の方々からの感想として、「今後も続けていきたい(そのための課題もあるが)」「考えがどんどん変わっていった」「考えは変わらなかったが再検討する時間を持てた」などの声が聞かれました。犬飼様からはメールで、とてもよい研修だったとのお言葉をいただきました。

この記事を書いた人

アーダコーダ事務局