こどもの主体性を引き出す「こども哲学入門講座」

こどもの主体性を引き出す「こども哲学入門講座」

近年、こどもたちの主体性を引き出す、多様な問題を話し合う力を育てるとして教育現場などで注目を集める「こども哲学」。 今回は、小学校や中学校などで実際に授業を行っている実践者が講師となり、事例と体験談を交え、「こども哲学」についてわかりやすくお伝えします。「こども哲学」ってなに?どんなものか知りたいという方、自分もやってみたいという方、ぜひご受講ください。

イベントの概要

● 日時:2014年6月14日(土) 10:00〜12:30 (開場 9:45)
● 対象:「こども哲学」に関心のある方
こどもの主体性を引き出す対話の場づくりに関心のある方
「こども哲学」や哲学対話を取り入れた授業づくり・教育実践に興味のある教員・教育関係者の方
● 会場:ウィルソン・ラーニング ワールドワイド(株) イノベーションセンター 
東京都港区六本木 1-10-6 東京メトロ日比谷線 神谷町駅4b出口より徒歩5分
アクセスマップはこちら
●定員:10人程度
●参加費:5,000円
(アーダコーダ 理事:河野哲也著『「こども哲学」で対話力と思考力を育てる』1冊付き、すでに本書をお持ちの方は 4,000 円)
※受講料は当日会場にて申し受けます。
●主催:NPO こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ
●申込み
要事前申し込み、先着順受付。
メールに下記を明記の上、お申し込みください。
件名 「6月14日入門講座申込み」
1.お名前
2.ご職業・ご所属等
3.ご連絡先(イベント当日ご連絡がつくお電話番号)
こちらからの返信をもって申込完了となります。申込後キャンセルされる場合はご一報ください。 
お申込み先:E-mail ardacoda@gmail.com
※お預かりした個人情報は当団体からのご連絡のみに使用し、厳重に管理いたします。

ファシリテーター

  • 土屋 陽介土屋 陽介

プログラム

こども哲学に興味を持ち、こども哲学の概要や、具体的な実施方法、実際の哲学対話の体験まで、体系だてて理解したいと考えている方のための講座です。講座を通して、こども哲学への理解を深めます。

・こども哲学ってなに?
・こども哲学の理論と歴史
・国内外のこども哲学の教室の紹介
・こども哲学体験

1:質問ゲーム

2:探求の共同体

3:メタダイアローグ

※タイムスケジュールは都合により、予告なく変更させていただくことがあります。ご了承くださいませ。

レポート

1. 概要

・理論編では、講師が実践している中学・高等学校でのこども哲学の授業の概要と生徒の反応を中心に、現況や歴史、育成が期待される思考力とは何かという意義などが紹介されました。
・体験編では、質問ゲームによって初対面同士の参加者がコミュニケーションをとりやすい雰囲気を作った後、最後に参加者全員で幸せをテーマに哲学対話を行いました。

2. 当日の流れ

[理論編]

土屋講師によるファシリテーションによって、下記内容に沿って講義が進められました。
(1) こども哲学ってなに?
・映画『ちいさな哲学者たち』の紹介
・開智中学・高等学校におけるこども哲学の授業の概要
(2) こども哲学の理論と歴史
・はじまり
・世界各国での現況
・意義~育成する思考力
(3) こども哲学のレシピ
・教室のつくり方
・実際の対話事例 
参加者からは、下記のような多くの質問が挙がり、講師からの応答が行われました。
 - やり方としてホワイトボード等に書く方が良いのか?
 - オーストラリアで多く活用が進んでいる理由は何か?
 - 授業の最初の反応はどうか? 教師が期待するだろう正解を答えようとする傾向はないか?
 - 私立では進んでいると思うが、公立ではどうなのか?
 - 校外での活動の現状はどうか?

[体験編]

理論編を踏まえて、今度は参加者が下記内容に沿って実際に体験をしました。
(1) 質問ゲーム
・スタッフも含めて4名ずつのグループ3つでサークルを作り、「しあわせと思うのはどんなとき?」という質問について考えました。
・ひとりの参加者がまず発表者となって「私の場合は、こういうときで…」と自分の意見を言いました。
・他の3人の参加者からは「それはなぜ?」「それはどうして?」などという質問が投げかけられ、発表者はゆっくり考えながら応えて行きました。
・5分経過したら次の人が発表者になるように繰り返し、全員が一度は発表者になるよう一周しました。
(2) 探究の共同体(哲学対話)
・全員で1つのサークルを作って、幸せについて対話したい問いを考え、挙げ合いました。下記候補の中から「なぜみんなしあわせにそんなに関心があるのか?」を問いと決めました。
 - しあわせとは何か?
 - なぜしあわせは人によって違うのか?
 - なぜみんなしあわせにそんなに関心があるのか?
・参加者全員で「なぜみんなしあわせにそんなに関心があるのか?」を問いとして哲学対話をしました。対話では、“自分の幸せを他人に共感してもらうと嬉しくて幸せを感じるので、他人の幸せにも関心が向くのではないか?”という指摘に始まり、“自分の幸せと他人の幸せへの関心の度合いは違うのか”、“幸せは善悪の判断へと行き着くか”などの問いや論点が挙がるなど、ゆっくり考えながらも終了ギリギリまで熱心な対話が続きました。

3. 参考資料の展示

下記のような資料が会場内に展示され、参加者が手に取り読み入っていました。
・こども哲学に関する教材・絵本・参考文献
・『ちいさな哲学者たち』のDVD
・土屋講師が執筆中の毎日小学生新聞の連載記事

この記事を書いた人

アーダコーダ事務局