2022年度こども哲学ファシリテーター養成講座〈初級編〉第1回目の実施レポート

6月26日(日)、7月3日(日)に、こども哲学の理解を深め実践することを目的として、掲題の講座をオンラインで2日間にわたって行いました。

講座には、地域でこども哲学を実際にやってみたい方、お子さんと哲学対話をしてみたい方、学校等で授業に取り入れたい方など、今回も様々な方にご参加いただくことができました。


講座1日目は、アーダコーダ副代表理事である井尻からの講義と、講師陣がファシリテーターを務めるこども哲学の体験を行い、講座2日目は、実際に受講者の方々にこども哲学のファシリテーションを一人一人実践していただきました。特に、講座2日目の「初めてのファシリテーション体験」では、20名の受講者の皆様と9名の講座スタッフが小グループに分かれ、1日目の講義の内容を踏まえて実際に参加者の方一人一人にファシリテーションをしていただきました。


講座内では質疑応答の時間が何度も取られ、参加者の皆様から多くのご質問をいただきました。ファシリテーションの仕方や工夫は、どんな場や人とするかを踏まえながら調整していくもので、これをすればいいという一つの正解があるわけではありません。そのため、講師陣からは、自分だったらどうするかという視点で、配慮している点についてさまざまな意見が交わされ、受講者の方々に課題を持ち帰っていただきました。

2日間の講座を経て、受講者の皆様からは以下のような感想が寄せられました。その一部をご紹介いたします。

・「ファシリテーターとして進行が困ったときに、自分ひとりでまとめようとするのではなく、参加者の人に頼ることもありというお話に目からウロコでした」

・「たくさんありますが…特に1つ。問い出しだけでほぼ時間が終わる(対話の時間があまりとれない)としてもOK。重要なのは、参加度=どれだけ考えられたかというまなびが、今後のファシリテーターとしてのスタンスの軸が一つ見えてきたように思います。」

・「それぞれ哲学対話に持つイメージが違っていていいんだな、と改めて認識しました。自分の考える哲学対話を言葉で説明できるようになりたいし、そんな場をいつか持ちたいと思いました。」

・「第一日目では哲学講座を主に頭で学んだ感じだったので、理解できても実際に私にできるのかと不安が残っていました。でもその後、それぞれの人がファシリテーターをするなかで感じたことは、それぞれがそれぞれのやり方でファシリテートしていけばいいんだな、これが正解というものはないんだな、ということでした。もちろん最低限のルールややり方などはあるかと思うのですが、ファシリテートのあり方ややり方に正解はなく、それぞれの個性で楽しんでできるのが一番だとみなさんのファシリテーターを通して感じました。とは言いつつも、これから自分なりの哲学カフェをどんな風に実現するのか、まだまだ未知数ですが、学んだことを生かしていけたらと思っております。」

受講者の皆様が一人一人どんなこども哲学の場を開きたいか、そのためにどんなファシリテーションの工夫ができるのか講座を通して模索されている様子が、これから一緒にこども哲学の場を作っていく仲間として、とても嬉しく思いました。

次回のこども哲学ファシリテーション養成講座〈初級編〉は現在調整中ですが、9月〜10月頃に開催予定です。

こども哲学にご関心のある方、これからこども哲学を始めてみたい・始めてみたけれどやり方に困っている方、皆様のご応募をお待ちしております!(ライター:盛岡)

この記事を書いた人

アーダコーダ事務局